TATEGUMI建築士事務所のための業務OSv0.12026無料ツールガイドAbout先行登録ログイン →
00 / 02

実務ガイド / 2026.08.04

電子帳簿保存法の対象書類とは?一人建築士事務所が押さえる区分と保存方法

01 / 02

「電子帳簿保存法にはどの書類が対象になるのか、はっきりわからないまま日々の請求書や領収書を処理している」——一人(独立)建築士事務所を営む建築士さんから、私たちはこうした声をよく伺います。設計に集中したいのに、法令対応の全体像がつかめず、後回しになりがちなテーマです。この記事では、電子帳簿保存法の対象書類を区分ごとに整理し、小規模な設計事務所が実務で何をすべきかを、根拠に沿って静かに解説します。売り込みはありません。

電子帳簿保存法は「3つの保存区分」で対象書類が変わる

電子帳簿保存法を理解する近道は、書類そのものではなく「保存の仕方」で3つに分けて考えることです。同じ請求書でも、どう受け取り・どう作ったかによって、属する区分と義務の重さが変わります。まずこの地図を持つことが、対象書類を見誤らない第一歩です。

  • ① 電子帳簿等保存:自分がパソコンの会計ソフト等で最初から電子的に作成した帳簿・書類。
  • ② スキャナ保存:紙で受け取った・作成した書類をスキャン(撮影)して電子化して保存するもの。
  • ③ 電子取引データ保存:電子データでやり取りした取引情報。ここだけが電子保存を「義務」とする区分です。

①と②は、紙のまま保存する選択肢も残っており、電子化するかどうかは事業者が選べます。一方③は、2024年1月以降、電子でやり取りしたデータは電子のまま保存することが原則求められます。つまり優先して押さえるべきは③だ、と整理できます。

区分①:電子帳簿等保存の対象書類

会計ソフトなどで自ら電子的に作成した、次のようなものが対象です。

  • 帳簿:仕訳帳、総勘定元帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など。
  • 決算関係書類:貸借対照表、損益計算書、棚卸表など。
  • 自分で発行して電子的に作成した見積書・請求書・領収書・契約書の控え。

設計事務所であれば、設計料の見積書や請求書をソフト上で作成し、その控えを電子保存するケースがここに当たります。この区分は任意ですが、電子で作ったものをわざわざ印刷して紙で綴じ直す手間を考えると、電子のまま整えておくほうが合理的です。

区分②:スキャナ保存の対象書類

取引の相手から紙で受け取った、あるいは紙で作成した書類を電子化する場合の区分です。設計事務所の実務では、次のような書類が典型です。

  • 職人・工務店から紙で受け取った見積書、請求書、納品書。
  • 現場で受け取った紙の領収書、レシート。
  • 紙で取り交わした契約書、注文書。

スキャナ保存には、一定期間内の入力、解像度やタイムスタンプ等の要件があります。任意の制度なので、まずは無理に全書類を電子化しようとせず、量の多いものから段階的に取り組むのが現実的です。

区分③:電子取引データ保存の対象書類(ここが義務)

もっとも注意が必要なのが、この電子取引データ保存です。電子的に授受した取引情報は、原則として電子データのまま保存しなければなりません。一人事務所であっても例外ではありません。対象になるのは、たとえば次のようなものです。

  • メールに添付されて届いた、またはメール本文に記載された請求書・見積書・領収書。
  • Webサイトからダウンロードした利用明細や領収書(クラウドサービス、資材のネット購入など)。
  • クレジットカードやキャッシュレス決済の利用明細データ。
  • LINEやチャットで施主・職人さんから受け取った見積・請求関連のファイル。

ここで見落とされがちなのが最後の項目です。現場のやり取りがLINE中心で回っている事務所では、施主さんや職人さんから届く見積書・請求書の画像やPDFも「電子取引データ」に含まれ得ます。紙に印刷して保存するのではなく、データとして保存・検索できる状態に整えることが求められます。

電子取引データに求められる主な要件

電子取引データの保存では、大きく次の2点が柱になります。

  • 真実性の確保:改ざん防止のための措置(タイムスタンプ、訂正削除の記録が残る仕組み、または事務処理規程の整備など)。
  • 可視性の確保:日付・金額・取引先で検索できること、画面や書面に速やかに出力できること。

「取引先ごと・日付ごとにデータを探し出せる状態」を作れているかどうかが、実務上の分かれ目になります。フォルダに雑多に保存しただけでは、後から一件を探し当てるのに時間がかかり、税務対応の場面で困ることになります。

建築士事務所ならではの視点:法令は「電帳法」だけではない

設計事務所の書類保存を考えるとき、電子帳簿保存法と並べて意識したいのが建築士法です。建築士法では、設計図書や工事監理記録など、業務に関する一定の書類の保存が求められています。会計・税務の電帳法対応と、建築士法にもとづく業務書類の保存は目的が異なる別々の義務であり、片方を満たせば他方が不要になるわけではありません。両方を意識して仕組みを整える必要があります。

さらに、2023年に始まったインボイス制度(適格請求書)とも実務は地続きです。職人さんから受け取る適格請求書、施主へ発行する適格請求書のいずれも、電子でやり取りすれば電子取引データとして保存対象になります。制度を別々の宿題として抱えるのではなく、「請求と保存を一つの流れでつなぐ」発想が、一人事務所の負担を軽くします。

一人事務所が今日から始められる整理の順番

  • まず③から:義務である電子取引データの保存要件を満たすことを最優先に。
  • 入口を絞る:メール、LINE、Webダウンロードなど、電子データが入ってくる経路を洗い出す。
  • 検索できる状態に:日付・取引先・金額で探せるルールを決める。
  • ①②は段階的に:任意の区分は、量の多い書類から少しずつ電子化する。

私たちtategumiは、こうしたバックオフィス業務を一つのループでつなぐ、一人(独立)建築士事務所のための業務OSを開発しています。見積から施主承認、請求、入金までをLINE完結で扱い、カードやPayPayで即日入金、月末は弥生・freee連携のCSVで税理士さんと共有する——そんな日々の流れの中に、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応を織り込むことを目指しています。運営はAMARELO株式会社。初期費用¥0・月額¥7,980(先行ユーザーは¥4,980)・60日間無料お試しで、2026年後半ローンチ予定として、いま最初の100名の先行ユーザーを募集しています。

法令対応の全体像を一度整理しておきたい建築士さんは、先行ユーザー登録ページから、ぜひ私たちに声をお聞かせください。設計に集中できる時間を、一つでも多く取り戻せるように——静かに、伴走します。

02 / 02