実務ガイド / 2026.07.27
PayPayの請求をLINEで送るやり方|建築士さんの設計料受け取りで注意すべき規約と実務
「設計料をPayPayで払いたいと施主さんに言われたが、請求はどうやって送ればいいのか」。一人(独立)建築士事務所を営む建築士さんから、私たちはこの質問をよく受け取ります。施主さんとのやり取りがLINE中心になっている今、PayPayの請求をLINEで送るやり方を知っておくことは、入金までの時間を短くするうえで確かに有効です。ただし、ここには一つ大きな落とし穴があります。PayPayの個人間送金機能を、事業の対価(設計料など)の受け取りに使うことは、PayPayの利用規約で認められていません。この記事では、まず一般的な「LINEでPayPay請求を送る」手順を整理したうえで、建築士事務所が設計料を受け取る場合に取るべき正しい方法を、実務者の目線で説明します。
基本のやり方:PayPayの「送る・受け取る」リンクをLINEで共有する
個人同士でお金をやり取りする場合、PayPayには残高を請求(リクエスト)する機能があります。手順はシンプルです。
- PayPayアプリで「送る・受け取る」を開く — PayPayアプリを開き、ホーム画面の「送る・受け取る」をタップする。
- 金額を指定して受け取りリンクを作成する — 「受け取る」側のメニューから、金額を指定して受け取りリンク(またはQRコード)を作成する。
- リンクをLINEのトークに貼り付けて送る — 作成したリンクをコピーし、LINEのトーク画面に貼り付けて相手に送る。
- 相手がリンクを開いて支払う — 相手がリンクを開いてPayPay残高から支払うと、自分のPayPay残高に反映される。
飲み会の割り勘や家族間の立て替え精算であれば、この方法で十分です。LINEで完結し、相手にアプリの追加インストールを求める必要もありません。
ここが落とし穴:設計料の受け取りに個人間送金は使えない
問題は、この便利な機能を事業の請求に流用してよいかです。結論から言うと、使えません。PayPayの個人間送金(送る・受け取る機能)は個人的な利用を前提としており、商品やサービスの対価の受け取り、つまり営業目的での利用は規約で禁止されています。設計監理料や申請代行費用をこの方法で受け取ることは、規約違反にあたります。
規約の問題だけではありません。実務上も次の不都合があります。
- インボイス制度に対応できない — 個人間送金には請求書という書類そのものが存在しないため、適格請求書(インボイス)を交付できず、施主さんが法人や個人事業主の場合に仕入税額控除の面で迷惑をかける。
- 電子帳簿保存法の要件を満たしにくい — 取引記録がアプリ内の送金履歴しか残らず、取引書類として検索・保存できる形にならない。
- 会計処理が煩雑になる — PayPay残高への入金は銀行口座の記帳と紐づかず、確定申告の際に一件ずつ手で突き合わせることになる。
「施主さんがPayPayで払いたがっている」というニーズ自体は正当です。応えるべきは、事業者としてPayPay決済を正式に受けられる仕組みを用意することです。
建築士事務所が正しくPayPay請求を受ける2つの方法
方法1:PayPayの加盟店(事業者)として登録する
PayPayには事業者向けの加盟店登録があり、審査を通れば店頭QRコードやオンラインでの決済受け付けが可能になります。ただし、これは主に店舗型の商売を想定した仕組みです。設計事務所のように「案件ごとに金額の異なる請求書を発行し、着手金・中間金・竣工金と分割で請求する」業態では、加盟店の仕組みだけでは請求書の発行・管理まではカバーできず、インボイス対応の請求書は別途自分で作る必要があります。
方法2:請求書発行とオンライン決済が一体になったサービスを使う
もう一つは、適格請求書の発行と、カード・PayPayなどのオンライン決済リンクの発行がセットになったサービスを使う方法です。請求書に決済リンクが付いた状態でLINEで施主さんに送れるため、施主さん側の体験は「LINEで届いたリンクを開いてPayPayで払う」だけ。個人間送金と同じ手軽さでありながら、事業者側には規約上も法令上も正しい取引記録が残ります。この方式の利点を整理すると次のとおりです。
- インボイス制度・電子帳簿保存法に対応 — 請求書がインボイス制度・電子帳簿保存法に対応した形で発行・保存される。
- 入金が請求書単位で消し込まれる — 督促の電話が減り、確定申告前の突き合わせ作業がなくなる。
- 決済手数料が明示されている — 手数料が明示されており、経費として処理しやすい。
決済リンク型サービスの手数料の目安と会計処理は設計料をクレジットカード・PayPayで受け取る方法で詳しく解説しています。
一人事務所なら、請求の前後もLINEでつながっているか
3〜15案件を一人で回している建築士さんにとって、請求は業務の一部分にすぎません。見積を出し、施主さんの承認を取り、着手金・中間金・竣工金を分けて請求し、入金を確認し、月末に会計ソフトへ取り込む——この一連の流れが分断されていると、PayPay請求のやり方だけを解決しても、結局エクセルとの二重管理が残ります。
私たちが開発中のタテグミは、一人(独立)建築士事務所のための業務OSです。見積から施主承認、請求、入金、弥生・freee連携までを一つの線でつなぎます。
- LINE完結 — 施主さんはアプリのインストール不要。請求書はLINEで届き、そのまま支払えます。
- カード・PayPay・銀行振込に対応、即日入金 — 決済手数料はカード約3.6%、PayPay約1.6〜2%、振込は無料です。
- インボイス制度・電子帳簿保存法に対応 — 適格請求書を自動で発行し、取引記録を法令準拠の形で保存します。
- 会計ソフト連携 — 月末は弥生インポート形式のCSVで書き出し、税理士さんとの共有もスムーズです。
- 工事監理記録の整理 — 建築士法で求められる工事監理記録の整理まで、同じ案件の中で扱えます。
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まとめ:やり方より先に「どの立場で受け取るか」を決める
「PayPayの請求をLINEで送るやり方」自体は、受け取りリンクを作ってトークに貼るだけで、数分で覚えられます。しかし設計料の受け取りである以上、個人間送金の流用は規約違反であり、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応も果たせません。建築士さんに選んでいただきたいのは、請求書発行と決済が一体になった、事業者としての正しい受け取り方です。
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